松井憲太郎/富士市民文化会館キラリふじみ 館長

じつは田上豊さんと仕事を始めてしばらくした頃、彼とも関わりがあって、私も大いに敬意を払うふたりの先輩演劇人に、田上さんを劇作家や演出家としてどう評価するのか、伺ったことがある。

ふたりともほぼ同意見で、まず田上さんが若いにもかかわらず、人間や演劇の核心部分を的確に把握していること、そしてそれを土台に、小手先の技巧を用いずに、人間を正面から描いていこうとする姿勢を高く評価していた。私もまったく同感だった。

田上さんの作品は、しばしば結末がまったく想像できないような波乱に富んだ展開をみせる。ところが、観客は劇が進むにつれ、まんまと喜怒哀楽のるつぼに引きずり込まれて、最後には感動の余韻に浸っている自分を発見することになる。

そんな演劇ならではの醍醐味が満載の劇作品を、今後もひたむきに創り続けていってくれることを心より期待しています。

能島瑞穂/青年団 俳優

初めて参加した田上パル「合唱曲第58番」は、アゴラの舞台袖で、「ずるーい、私も早く参加したいっ!」と、毎回、子供のような気持ちだった。
舞台上はすでに、キラキラとまぶしく、乱反射する夏の日差しにあふれていて、私なんかそっちのけで完全にあたたまっているっ!舞台に出ていくことを、初めて怖いと思わなかった。
不可能を可能にするチームの力を、田上君が強く信じてくれるから、周りの皆を、頼もしく誇らしく感じることが出来る。
そこで勇気をもらって、「私も!」と、芝居の渦に飛び込んで行けたのだと思う。
「Q学」のチーム力によって、今回はどんなミラクルが起きてしまうのだろう。
その渦に、私も観客として飲み込まれてさらわれてみたい。