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自分の出来る範囲で終わりたくない/平嶋恵璃香

『Q学』出演のために九州からやってきた平嶋さんにお話を聞きました。

平嶋恵璃香
俳優・カンパニーマネージャー
北九州を拠点に活動しているブルーエゴナク所属

ブルーエゴナクは北九州市拠点に国内外に通用する新たな演劇作品の創造と上演を趣旨として活動しています。

2012年に代表の穴迫信一が旗揚げしました。九州ではおそらく最も活動的な団体のひとつだと思います。

2017年以降は《私たちは常に何かを奪われる寸前である。》という問題意識をテーマに作品を製作しています。鮮やかなのにどこか仄暗いような、しつこいようなあっけないような、相対する感覚が同居する違和感のある作品だと言われますね。

オーディションの情報を見て、すぐにスケジュール表を確認しました。

3年前の北九州での『Q学』の初演を見てとても感激しました。出演者応募の告知で「今回は高校生じゃなく大人と新しい『Q学』を作りたい」という田上さんの言葉を見て「ああ、出たい」と。

『Q学』という作品を見たときに「面白い」という気持ちだけじゃなく「出たい」「なんでここに自分がいないんだろう」って思って、その気持ちをずっと覚えてました。

見た人にとっては今でも伝説の舞台

当時は田上さんとの面識はなく、田上パルが高校生と何か作るらしいぞというのだけ噂で聞いていて、WS発表会のようなことをするのかなと思っていたんですが、初日を観た人の感想を聞いて「これはそんなレベルじゃない」と。それで2日目慌てて観に行って。

高校生が演劇をやるってだけでなんか感動しそうじゃないですか、一生懸命やるし。でも見てみたら「ああ、そういうことじゃないな」と。

高校生だから感動したとかそういうのとは全く別次元のものが出来上がっていて、それが悔しくて。

俳優同士の戦いに参戦してくるのが田上さん

2017年のキラリふじみでの公演で田上さんとはご一緒しています。(『僕の東京日記』埼玉県富士見市民文化会館キラリふじみ)その時は17人も出演者がいたんですが、今回は9人、そのうち8人は女性なので、雰囲気も変わってくるのかも、と楽しみです。

俳優同士って一緒にいいものを作るときに、協力したり時には戦ったりするものだと思っていて、演出はそういった場面を作る、調整していくのが仕事かなと思っていたんですが、田上さんはさらにそこに参戦してくるんですよ。こうしたらどうかな、みたいな感じで。どんどんアイディアを出してくる。その演出のテンポ感には驚きつつも楽しかったです。

『Q学』は演劇に関わった人にはぜひ観てもらいたい

『Q学』を見て救われたところもあるんですよ。

凄く良い高校時代だったと言い切れる人って少ないと思ってて。多感な時期だし、いろんなことがあったと思うけど、その一つ一つを大切にしていいんだなって、『Q学』を見て思ったんですよね。

自分の出来る範囲で終わりたくない

今の自分を少しでも越えていきたい。

自分を成長させていくために、新しい自分とか可能性を探していくことを楽しく続けていきたいと思ってます。その過程と演劇の創作過程って結構似ているなと思います。

私は九州を拠点にしていますが、他の地域でも積極的に活動していこうと思っていて、今年は劇団としては7月にせんがわ劇場演劇コンクールに出場しますし、9月にはアゴラ劇場での公演があります。個人としてはこの「Q学」を合わせて三度、東京で舞台に立ちます。東京にいれば様々な人に出会えるし、公演の機会もあると思うんですけど、そこにいないからこその反骨精神みたいなのがあって、その気持ちを大事にしながら一個づつやっていこうと思ってます。

そうやって活動していかないと人と出会う機会もなかなかなくて、それは東京でも一緒かもしれないですけど、自分としては機会があれば行動しようと思ってます。

折角だからやっぱり東京にしかいない人に見てもらいたいかな。東京には作品を評価してくれる人やオンラインでしか会えなかった人が沢山いるわけですし、そんな人たちに見てもらえたら嬉しいですね。

誰に会っても誰に見てもらっても自分にとっては新鮮だと思ってます。
『Q学』は絶対に見てもらいたいし、ブルーエゴナクの東京公演もぜひ見に来てもらいたいです。