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自分が楽しめるのか、楽しみ続けられるのか/亀山浩史

「Q学」唯一の男性キャスト、亀山浩史さんにお話を聞きました。

亀山浩史 俳優、神奈川県出身、33歳

書かれた言葉を喋る、生きているように感じさせる楽しさ

高校の時は演劇部に所属してたんですけど、卒業してから演劇の専門学校に進んで、劇団青年座研究所に入って、それからフリーランスの俳優として数年間活動していました。

その後、青年団演出部に所属している、うさぎストライプ代表の大池と出会って、旗揚げ公演に参加することになったんです。 それからなぜか毎公演呼んでもらうようになって、「劇団員になりませんか?」と声をかけられて今年で丸5年です。うさぎストライプに入ったことで、田上さんをはじめ、色々な出会いがあったおかげで、現在まで演劇を続けてこれた、という感じです。

目の前のお客さんに向き合うことの面白さが、演劇の魅力かなと思っています。

最近、自分は喋りたいんだな、ってことに気がついたんです。これは、ただ人とお喋りをしたいってことではなくて、書かれた言葉を喋ることの面白さってあるなあ、って。

誰かの書いた言葉を、本当に生きているように、そこにいるように舞台の上で喋りたいんだなあ、って思うんです。

田上パルの戯画化されたエネルギーに圧倒された

今回、オーディションに参加させていただいたのは、こまばアゴラ劇場で『プロジェクト7』と『合唱曲第58番』を観たことがきっかけです。

劇画的に具現化されたエネルギーに圧倒されるような感覚があって、自分がやりたいこと、必要だと思っていることと合致したというか、面白いな、やってみたいな、と思ったんです。

まずは自分が楽しめるのか、楽しみ続けられるのか

僕は、俳優と演出家って、話すだけじゃなくて一緒にやってみないと分からないところがあるので、とにかく(田上豊と)一緒に創作してみたい、って思ったんです。

うさぎストライプの公演の時は、どんな作品をやるかも分からずに出ることを決めたりもしているんですが、それはこれまでに一緒に創作を重ねてきたからということもあるのかもしれません。自分の楽しみや喜びと、初めて出会う演出家・俳優と組むことでの可能性、で決めてるのかもしれないですね。

まずは自分が楽しめるのか、楽しみ続けられるのか。そう思える可能性があるか……

初めての演出家さんと創作をする時には、自分の可能性を広げられるかどうかを意識しているんだと思います。

海を渡って自分のフィールドを広げたい

いまは海外での公演に興味があります。フランスとかイギリスとか、ヨーロッパで公演してみたいんです。

俳優を志した頃から、アカデミー賞をとりたいとか億万長者になりたいとか、あまり考えたことがなくて。 実感できる範囲で、確実に自分が成長できればいいなあ、と思ってるんです。海外に行きたいのも、フィールドを明確に広げることができればいいなと思っているからで。

今回の田上パルに出て、またひとつ自分のフィールドを広げることができればと思ってます。

演劇が自分の中の消化できないものを咀嚼してくれる

僕は演劇を観て「救われる」と感じることが多くて、実生活の中でうまく消化できないものが積み重なっている時に、それを咀嚼してもらったり、肯定してもらったり、すくい取ってもらえたような感覚になるんです。

世の中には、演劇と出会わずに生きていけてしまう人も多いと思いますが、自分の問題を抱えていたり、社会の中で少し孤独を感じたりしているような人がいたら、劇場に足を運んでもらうと、少し気分が変わるんじゃないかなと思っていて。試しに一度、演劇を観てほしいなあ、って。